要素の話し

人間の生きる基本が、食べて寝て活動することだとして。
その他のすべての物事は、人それぞれに適した生きる為に必要なオプションとする。
どういう風に選ぶか。
自分にとって無いと絶対困るものから、有ることで充実感や安息感や活性化が得られるものなど。


ワタシは音楽を聴いて音に包まれていられれば生きていけるタイプだと思っている。
音楽、音楽、映画、たまに舞台や美術展、そして音楽。そうした表現の鑑賞。
聴いて感じることを源にして心身を養う要素。
取り入れては蓄えて活動することへ活用できる要素。
そんな感じで、生きていく為の要素が１０あるうち、
基本要素とオプション要素の占める割合を自分なりに考えてみる。

もはや基本要素ですら削ってしまう人もいるくらいだし、自分を生かす為に日々をおくることや、どのように生きる要素を取り込んでゆくか？なんて考える人も少ないのかもしれない。
だまっていても生き続けてられるなら良いけど、そういう生き物では無いようだし、自分のみでは生成する能力はゼロに近い。だいたいは基本要素とオプション要素を取り入れることで維持できるような生き物なんだと思う。


でも、オプション要素を取り入れる為にも、基本要素を基本とする為にも、多くの人は働く。
自分的には４か３か２程度、働くことでいいんだけれども、実生活では半分以上を働くことに費やしてしまう。悲しいかな、これが現実だった。
２０代の頃は、朝も昼も夜も深夜もそんな風に働いたなぁ。それが生活を継続させるための時間だと思っていた。生活者というよりは労働者でしかない感じだ。
だから、自分が自分なりに生きていく為に必要な要素は？なんて考えたこともない。当たり前に働き、お金をもらって、衣食住に充てて１ヶ月、一年と繰り返していくことだけを継続してきたんだ。と過去を振り返る。そして、ふと考えて気付いてしまったのだが、これからはどうするのが良いのか？を、考えながら実践してゆくことだと思っている。


食べて寝て動く身体と頭と心を基本にして、
音楽や映画を鑑賞する時間をプラスすればワタシはワタシなりにワタシらしく生きていける。
基本とする要素としては、それなりの寝床と、少しの食糧と飲料くらいで良いんだろうな、
そのために少し働く。多分、これが自分にとっては理想だ。
理想を理想として試さないのは馬鹿げているとも思う。
だからそれが世間とのズレだとしても少しずつでも近づけてゆければ良い。
自分なりに選んで行うことで、生きてるなぁと実感できることを増やせるように生きてみる。
生活を維持する為に働くこと！という視点を変えて、ゆったり生きることで自分で時間を使ってゆくことを実感するように。
そう考えると、今ある社会の歪や無駄や強いられる物事も見えてきて、そういうのが皆から必要ないモノとして認識されて衰退していって、これから変化することも楽しめたなら、もっといろんな生き方や方法が鮮明になってゆくんじゃないかな。そうして、後世にも見て知ってもらって残せることとして繋ぐことでひとつの文化になるような。



それぞれの必要な要素を理解して、その為の時間を分配できたとして。
働く時間が必要な人がいて、音楽を聴ける時間が余分なんだ！と思う人がいたら、交換できたらいいな。そうして、自分の音楽鑑賞の時間に充てることができて、そうした時間が増えていくとする。
きっと、それでも世界中の出会っていない作品を聴ききることは無理だろう。
それぐらい沢山溢れてしまってる。音を奏でる人も、作品も、世界中にある。
生きている間にどれだけの音と出会えるのかを度々考えるのだけど。生きていられる時間の中でしか出会えないし、そもそも作品として出来上がった時間があって、その4分～5分を一度以上は楽しみたいと思うと、生きている間に聴ける曲数って思ったより少ないんだよ。
なんだかとても損な気分。

これまでも、たくさんの音楽が溢れているように、
これからも沢山の音楽が作品が増えていくことでしょう。
文献も、音楽も、芸術は、新しい人が生まれては造って残してゆくから増え続けてゆくけれど。
人々は、最も自由である時間を多くの労働に充てていて、一生のうちにも、鑑賞して体感して感じることを行えずに死んでゆくように思う。
これからも、作品は増え続けてゆくのに、人々に触れ合うことができる作品は、ほんの僅かかもしれない。インターネットの方法を新たに得ても、拡がり繋がり知れば知るほど、出会えるモノと出会えないモノがあることを実感する。
生活する時間の中で、感じることが薄れてしまうと、人間の性質にも影響すると思うんだよね。
だから、無理にとは言わないけれども、感じることを疎かにして欲しくないなぁと思っている。
これからの人の為にも、今これからの生活を少しづつ緩めてゆくことで、人間的にも豊かな心を得られるようになれたら良いなぁと思う。